高等職業訓練促進給付金とは|ひとり親が資格取得を目指す間の生活費を支える制度

ひとり親の資格取得と生活を支える制度

高等職業訓練促進給付金は、ひとり親の方が就職に有利な資格の取得を目指して養成機関で修業する間の、生活費を支える制度です。教育訓練給付金が雇用保険の制度であるのに対し、こちらはこども家庭庁が所管し、申請の受付と審査はお住まいの自治体が行います。

この記事では、国が示す支給額、対象者の要件、支給の期間、あはき・柔整の養成課程の扱い、申請前に確認すべき点を、こども家庭庁と自治体の公表情報にもとづいて整理します。

月額10万円住民税課税世帯は70,500円。最後の12か月は4万円増額
修了後に5万円住民税課税世帯は25,000円を一括で支給
修業期間の全期間上限4年。支給は申請した月分から
窓口は自治体ひとり親家庭支援の担当課。ハローワークではない

いくら支給されるのか

給付は、修業中の生活費を支える「訓練促進給付金」と、課程を修了した後の「修了支援給付金」の2本立てです。こども家庭庁が示している金額は次のとおりです。

給付の種類住民税非課税世帯住民税課税世帯
訓練促進給付金(月額)10万円70,500円
同(修了までの最後の12か月)14万円110,500円
修了支援給付金(修了後・一括)5万円25,000円

最後の12か月の増額は、国家試験の準備や就職活動と重なる時期の負担を考えたものです。3年課程を最初から継続して修業する場合は、3年目がこの期間にあたります。

支給される期間

支給の対象は修業期間の全期間で、上限は4年です。准看護師の養成機関を修了した方が引き続き看護師の養成機関で修業する場合など、上限が5年になる取り扱いを設けている自治体もあります。

支給は「申請した月分」からです。入学してから窓口を訪ねると、それまでの月分はさかのぼって受け取れないのが通常です。入学前に相談を済ませておくかどうかで、受け取れる総額が変わります。

世帯区分の判定について。課税・非課税の判定では、申請者本人だけでなく同一世帯の家族の課税状況が関係する場合があります。また、金額に独自の上乗せをしている自治体もあります。自分に適用される月額と振込の時期は、窓口で確認してください。

誰が対象か

こども家庭庁は、訓練開始日以降、次の3つをすべて満たすひとり親の方を対象として示しています。

  1. 児童扶養手当の支給を受けているか、同等の所得水準にあること
    こども家庭庁は、お子さんが1人の場合の例として、1年間の収入が385万円未満という水準を示しています。受給中に所得水準を超えた場合でも、1年に限り引き続き対象とされます。
  2. 養成機関において6か月以上のカリキュラムを修業し、対象資格の取得等が見込まれること
    学校に通うことではなく、その自治体が認める対象資格の取得が見込まれることが条件です。
  3. 仕事または育児と修業の両立が困難であると認められること
    就労の状況、修業の時間、育児の状況などを踏まえて自治体が判断します。

金額と期間だけを見て「ひとり親なら使える制度」と理解されがちですが、3つ目の要件が入っている点に注意してください。どのような場合に認められるかは自治体の判断になるため、事前相談で確認すべきところです。

3要件のほかに確認される項目があります。自治体の案内では、過去にこの給付金を受けていないことに加えて、求職者支援制度の職業訓練受講給付金、雇用保険の訓練延長給付、教育訓練支援給付金といった、訓練中の生活費を支える同趣旨の給付を受けていないことを要件とする例があります。受給歴と他制度の利用予定は、事前相談で必ず伝えてください。

受給中に子どもが20歳になる場合

受給中にお子さんが20歳に到達した場合に備えて、「高等職業訓練促進継続給付金」が設けられています。引き続きお子さんを扶養していること、所得水準などの要件を満たせば、同等の給付を受けながら資格取得を続けられます。

自動的に切り替わるとは限りません。3年課程の途中でお子さんが20歳になる可能性がある方は、訓練を始める前に窓口で確認してください。

対象資格と、あはき・柔整の養成課程

対象になるのは、就職の際に有利となる資格で、養成機関において6か月以上修業するものです。こども家庭庁は例として、看護師、准看護師、保育士、介護福祉士、理学療法士、作業療法士、調理師、製菓衛生師などの国家資格に加えて、シスコシステムズ認定資格やLPI認定資格といったデジタル分野等の民間資格を挙げています。あわせて、教育訓練給付の対象講座を受講して取得する資格(一部を除く)なども対象とされています。

はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師・柔道整復師は、この全国向けの例示には名前が出ていません。ただし、これらの資格を目標とする講座の多くは厚生労働大臣が指定する専門実践教育訓練の指定講座であり、対象資格として認められる場合があります。

対象資格を定めるのは自治体です。たとえば大阪市は、対象資格を市長が定めるとしたうえで、就職の際に有利となるもので、法令の定める専門学校等で6か月以上のカリキュラムを修業することが必要とされている資格、という考え方を示しています。同じ資格でも自治体によって扱いが分かれる可能性があるため、資格名だけでなく、志望校・学科・昼間部か夜間部かまで伝えて確認してください。

あわせて使える制度

専門実践教育訓練給付金

雇用保険から学費の一部が支給される制度です。自治体が併給できないものとして挙げているのは訓練中の生活費を支える給付であり、学費への給付は除外に挙げられていないのが一般的です。窓口も手続きも別なので、扱いは自治体とハローワークの双方に確認してください。

入学準備金・就職準備金の貸付

この給付金を活用して養成機関で修業する方に、入学準備金と就職準備金を貸し付ける制度です。取得した資格を生かして5年間就労を継続すると、償還が免除されます。金額と免除の条件は実施主体が定めるため、都道府県(指定都市にお住まいの方は市)へ確認してください。

専門実践教育訓練給付金の記事を読む

「学費への給付」と「生活費への給付」を分けて考える。学費を支える専門実践教育訓練給付金と、生活費を支えるこの制度は役割が違います。一方で、教育訓練支援給付金や職業訓練受講給付金のように、同じく生活費を支える給付とは併給できない場合があります。

申請でつまずかないための順番

多くの自治体が、受講開始前または申請前の事前相談を求めています。支給が申請月分からである以上、入学後に知って申請しても、それまでの月分は戻ってきません。

  1. 自治体の担当窓口を確認する
    市区町村のひとり親家庭支援の担当課に連絡します。お住まいによっては都道府県が窓口になることもあります。
  2. 志望する学校・学科を伝えて事前相談する
    資格名だけでなく、学校名、課程名、修業期間、昼間部か夜間部かも伝えます。
  3. 所得・受給歴・他制度の利用予定を確認する
    児童扶養手当の受給状況、住民税の課税状況、過去の受給歴、ハローワークの給付を使う予定があるかを確認します。
  4. 案内された時期に申請する
    申請の時期と必要書類は自治体によって異なります。合格通知、在籍証明、所得や課税の証明を求められることがあります。

自分が使えそうな制度をまとめて確認
いくつかの質問に答えると、4つの支援制度について「可能性あり/要確認/対象外」の目安がわかります。個人情報の入力は不要です。

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最終的な支給の可否、支給額、支給開始月、必要書類は、お住まいの自治体の審査と運用によって決まります。出願・入学・離職などを決める前に、ひとり親家庭支援の担当課へご相談ください。

主な公的資料
こども家庭庁「高等職業訓練促進給付金のご案内」
大阪市「ひとり親家庭高等職業訓練促進給付金等」
神戸市「ひとり親家庭高等職業訓練促進給付金事業」

本記事は制度の理解を助けるための情報提供であり、個別の支給を保証するものではありません。制度は改正されることがあります。情報基準日:2026年9月16日。

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